28年ぶりのオリンピック出場という快挙を成し遂げた、西野監督率いるチームは、アトランタの地でブラジルを破り、「マイアミの奇跡」という歴史をも刻みました。
この本は、そのチームの内側を描いたものです。
どんなことにも、初めてというものがあり、一度経験していれば簡単なことでも、初めて、というのは、とても難しいものです。
前園が主将を勤めた若き日本代表は、長らくアジアの壁を突破できなかった、日本サッカー界の歴史を新しく塗り替え、初めてを成し遂げた偉大なチームです。
初めて。そう日本にとって、協会、監督、マスコミ、ファン、一部の選手を除いて、すべての人が、初めて、でした。それが、大きな問題を起きてしまったのです。
この本の主題は、経験です。初めてと、2回、3回の差。そして、勝者と敗者という、2つしかない経験の、どちらをしているかの差が、サッカーにおいては、きわめて重要だと、金子さんは書かれています。
その経験の相違によって、起きた衝突だった、と。
僕は、前園という名前を聞いただけで、アトランタを思い出し、マレーシアでサウジアラビアに勝ったゲームが、今でも目の前に広がってきます。
なぜなら、やはり初めてだったからです。
そしてこのチームが大好きだったからです。
だから、日本サッカーが未熟だったゆえに、この素晴らしかったチームが、崩壊してしまったのが、輝いていた選手の多くが、その輝きを失ってしまったのが、今でも残念でありません。
どうしても必要な犠牲者だったと考えても、寂しくて仕方ないです。
本書が人気スポーツライター金子さんの初めての単行本です。
2006
