僕の中では、彼は最高のファンタジスタです。
実際に、ファンタジスタだと思っているのは、彼1人だけかもしれません。
彼の情熱が生みだす芸術に、サッカーの無限の可能性と美しさを教えられました。
そして、サッカーの世界に起こりうる、きれいな、また、残酷な、ドラマに涙しました。
スターとなった90年イタリアW杯。
バッジョのW杯になると言われていた、94年アメリカW杯。
出場権を勝ち取った98年フランスW杯。
彼が出場したこの3回のW杯で、イタリアは、バッジョは、PK戦の末、3度敗退しているんです。
負けてないともいえますが、勝ちきれてないともいえます。
まさに、彼の人生をあらわしている結果だという気がします。
バッジョは、常に光を浴びてプレーしていたわけではなく、どちらかというと影を背負ってプレーしていた印象があります。
本書では、キャリアをスタートした直後におった大怪我。宗教、信仰との出会い。
そして、バッジョにとっては、切っても切り離せない監督との関係が、彼自身の言葉によって語られています。
ほんと彼の情熱、精神力の強さは、異常と思えるくらいです。
何が、あそこまでさせるのか。なぜ、そこまでできるのか。
彼が、ファンの心を奪い、魅了するプレーヤーであったことは、間違いありません。
そのために、あまりにも思い入れが強くなるがために、誹謗・中傷を受けていたことも、事実だと思います。
みんなが、バッジョに抱く夢が、おおき過ぎたのかもしれません。
ただバッジョは、その夢をたくさん僕らに届けてくれました。
彼のようなプレーヤーは、2度と現れないと思います。
僕は、バッジョに出会えたことを、幸せに思います。
2006
