敗因と

著 金子達仁・戸塚啓・木崎伸也

ドイツW杯で、2敗1分という惨敗に終わった日本。
本書は、その敗因を探るため、書かれた本です。

この本の追っている敗因は、とっても悲しいものです。
主人公は中田英寿。そういっていいと思います。
中田英寿の存在が組織に軋轢を生んだのは、事実なんでしょう。ここまで明るみになってますし、この本を読んで、想像ではなく確信になりました。

中田が悪かったんでしょか?
僕はそうは思いません。
ああいうヤツ(僕のこれまでの、この本を読んでの、中田像です)、絶対普通にいます。僕の近くに、今まで何人もいます。えてして、能力の高い人こそが、そういうヤツが多いと感じます。
こういうヤツを、どう扱うか。ごく平凡な組織の軋轢です。
トップが決めればいいでしょ。そのためにいるんだから。
こうなっていたことに、ジーコが気づいていなかったなんてことは、絶対ないと思うんです。ジーコは見てみぬふりをしたんじゃないですか。
トップが能力がないから、こういう事態が起きたんだと思います。
中田英寿が勝手すぎる。他の選手が子供だ。
そういう一面って、大なり小なりあるもんです。どこのどんな集団でも。
ましてや非日常の、僅かな時間しか共有しない、集まりです。
目的はひとつだといっても、そこには温度差も当然ある。

敗因はジーコ。僕はそう思ってました。
ただ、監督としての、戦略家としてのジーコに敗因があったと思ってました。
ですが、それ以上にリーダー、トップとしての資質に問題があったのだと、この本を読んで感じました。
がっくりです。
選手を信頼している、と言い続けていた監督は、選手にまったく信頼されてなかったわけです。
こんな組織が、結果を残せるわけないです。

あともう1つ。
98年ラモスに酷評された城が、ラモスと同じようなことを言っていました。
問題が、海外組やらで複雑化しているといっても、同じ過ちを日本は繰り返しているんじゃないでしょうか。
02は、戦犯があまりにも見つけやすかっただけです。
 ― 同じ過ちを繰り返してはいけない。繰り返していいはずは、ない。 ―
だが、どうすれば・・・ 簡単なことではなさそうです。

長くなりました、すみません。
最後に、192ページの写真を目にした時、
涙がでました。
どうしてもこみ上げてくるものがあって、たまらない気分になりました。

2007.01.04