サッカー監督はつらいよ

著 平野 史

本書は、エルゴラッソで連載されていたコラムを、単行本化したものです。
とはいっても、広島在住の僕にとっては、はじめましてだったのですが、監督の仕事の魅力と苦労をよくあらわしているし、面白く読める本でした。

監督は、成功者になればとんでもない祭り上げられ方をします。 ”誰々のチームがタイトルを奪った” こうやって人々の記憶に残るフレーズの誰々は、監督であることが多い。 ”ブッフバルトのチームで初の栄光を味わった” ”ライカールトの作ったドリームチームは世界一だ” 人々の記憶にはこう残るでしょう。
監督とは、こういう役回りいただけるおいしいポジションでもある。

だが、逆の一面もこれまたすごくて、いつ首が飛ぶかもわからない。 安定感なんて微塵もない仕事です。
チームは生き物だし、絶対的要素なんて1つもない。 また勝負事には勝ちと負けの2つしかないのに、仕事内容の大半は結果で語られる。
”川勝のせいで降格した” ”カペッロはいつやめるんだ” チームの不出来はまず監督糾弾からはじまるのが、世の常です。

僕も、よく監督になったつもりで、あーだこーだとい言いながら、いつもサッカーを見ています。 あの采配、コイツは馬鹿だ、偉大だ、なんてほざきながら、サッカーを見るのが僕の最大の楽しみかもしれません。
よく代表監督にもなる。 オレだったら、誰々と誰々をこうならべ・・・、こういうサッカーをして・・・ ほざいてます。

監督の魅力とは、この権限を握れることでしょうね。 うらやましい限り。
それと、終わりのない仕事です。 これもまた魅力の1つでしょうね。
完成されたチームなんてありません。 継続がとんでもなく難しいのが現状。
あのファーガソンでさえ、浮き沈みを繰り返しています。

この本は、監督の抱える仕事の多岐多忙さを、細かく暗い部分も教えてくれます。 それはほんとかよ! と思うケースも多々です。
大変、理不尽、この言葉をほとんどの監督は、いつもいつも飲み込んでいるんだろうと思います。

でも、一度はサッカー監督をやってみたい、という願望が僕にはあるんですよね。
夢というよりも、生まれ変わったら、に近いですけど。

監督志願者の方は、ぜひ読んどいてください。
たぶんこれは苦労の一端でしかないと思いますが、その考えを改めなおす機会を与えてくれるかもしれません。

2007.03.14