熱狂のシーズン

ヴェローナFCを追いかけて

著 ティム・パークス
訳 北代 美和子

本書は、ヴェローナのティフォージの1人であるイギリス人作家の著者が、00/01シーズンを全ゲーム追い、書き上げたエッセイです。

イタリアの国民性をサッカーを通して語り、プロヴィンチアの宿命や、カルチョの問題や美しさを、愛と憎しみを込めて、痛快に書き綴られています。

はっきりいって、めちゃくちゃ面白いです。
分厚いですし、難しい比喩やカタカナがオンパレードします。 ですが、読み飽きることはない。
最後まで読み終えずにはいられないと思います。

僕がこの本を読んでいた時期は、くしくも、06/07カターニャvsパレルモ戦で、警官の方が亡くなるという事件が起こった時でした。 1/3ぐらい読んでいた時だったと思います。
だからでしょうか? 僕はこの事件のニュースが流れた時に、驚きもしませんでした。 殺しちゃダメだよ。 そんな思いを抱いたほどです。
スタジアムでの、ファンと警官の衝突は、この本でも何回も出てきます。
日常的スタジアムの風景にさえなっていたんだと思います。
いつか、こういう事件は必ず起こっていたはずです。
それが、06/07カターニャで起こってしまった、ということだと思います。

カルチョは、スキャンダルに汚れ、こういった事件まで起こしてしまった。
W杯制覇という栄光でさえ覆ってしまうほどの、真っ暗闇の中です。
カルチョに魅せられて、サッカーの虜になった僕としては、悲しい限りです。
この本でも強く再認識させられたことなんですが、カルチョはあまりにもイタリア人にとって、大きいものなのだと思います。
それが悪い方に悪い方に、走ってしまっている。
ここら辺で、考え直す必要がある。 考え改めなくてはいけないでしょう。
僕はセリエAのファンの1人として、カルチョのすばらしさを知っているつもりです。
そのすばらしいものを汚してほしくない、という想いでいっぱいです。

本書の内容とはかなりそれました。 すいません。
この本は、僕のかなりのお勧めです。
00/01シーズンのヴェローナは、ムトゥ、ジラルディーノ、カモラネージ、オッド、ラウルセンなどなど、のちのスタープレーヤーが所属しています。
ヴェローナの残留はなるのか! 最高にスリリングです。
ティムは、間違いなく最高のサッカーの楽しみ方の1つを、体験し、紹介してくれていると思います。
アウェイの魔力は、僕も知っているつもりです。 ほんと、恐ろしくすばらしい。

ティムは、今でもベンテゴーティに足を運び、クルバスッドでブーリガーテと共に、野次を飛ばし歌っているのでしょうか。
ヴェローナはいまセリエBです。 2007年3月14日現在、セリエC残留をかけたプレーオフを戦わなければならない18位に沈んでいる。 なんてこった。
ぜひ、続刊が読みたい。

2007.03.14