秋天の陽炎

著 金子達仁

’99年11月21日に行われたJ1昇格をかけた大一番、J2第36節大分vs山形のゲームがこの本の舞台です。

この本を手にする前に思ったのが、J2?ってことです。
この年のJ2が、劇的な結末を迎えたらしいことは雑誌で知ってましたけど、ドラマだね、なんて思っただけで、当時の僕はほとんど興味がありませんでした。
なんで金子さんがJ2なんて書くんだ、って思いました。

ですが、この本を読んで、日本の2部リーグのゲームであっても、負けられないという危機感を抱き、闘志を燃やして戦っている選手がいる。この舞台を作るためにたくさんの人がかかわってる、ってことを再認識させられ、サッカーにまつわるドラマはどんな場所でも起きているんだということを、W杯もサッカーだけど、これもまぎれなくサッカーだと、とても感じました。

本書は、両チームの選手監督はもちろん、審判にもスポットが当てられています。これもかなり新鮮でした。
審判もゲームを作る1人であると思ってはいたのですが、こうやって読んでみて、僕は本気でそう思っていなかったことに気づきましたし、審判という仕事の一部を理解できたような気がします。

大分は念願のJ1昇格を成し遂げ、ビックアイには毎ゲーム2万人近くの観衆で沸き返り、日本代表選手を輩出するクラブへと成長しています。
それもこれも、この時があったからこそでしょう。
こうやって歴史は刻まれていくんですね。
情熱を燃やして走り回った方たちと、サッカーの魔力は、とんでもないことを成し遂げるもんです。

2006