1998年フランスW杯。初出場を果たした日本は、グループリーグ3戦全敗という成績で、帰途に着いた。
この本は、金子さんがフランスW杯に向けて書き続け、雑誌や新聞に掲載されたものを、時系列に沿って収録し直されたのです。
フランスW杯をどのように感じたか。人それぞれにあると思います。
僕が当時抱いた思いは、「やっぱり負けたか。ただ、世界はそんなに遠くない。このW杯もやりようによっては勝てたはずだ」という感じだったと思います。
著者の金子さんは、タイトルでもあるように、惨敗と言われています。
そして、この本の主人公は岡田監督?と思いたくなるほど、岡田監督の批判に渦巻き、彼を選択した日本サッカー協会にも怒りをぶつけています。
金子さんが語っている敗因は、日本中がジョホールバルでの歓喜に深く浸り、W杯は「よくやったボーナス」のようなとらえ方をしていまい、日本が、サッカー協会が、本気で勝つ気で、戦場に赴いていかなかった。ということだと思います。
まぁ、こんな感じです。ボクサーが試合に絶対に勝とうと思えば、強い相手と練習して課題を見つけ、ベルトを取った経験のある最強のコーチから教えを受けるだろう。
それをやったのか、ってことです。
金子さんの怒りの意味はよくわかります。対等とはいかないまでも、対戦相手は絶対に勝てない相手ではなく、やりようによっては勝てた、という気持ちを抱いていたからだと思います。
この3戦全敗という結果は、これからずっと続いていく日本サッカーの歴史の一部です。これは消し去ることはできません。
ですから、知っておく必要があると思います。自分の意見を持っておく必要があると思います。
夜明けは暗闇からやってくるものですから。
その時がくることを信じて。その時に涙を流せるように。
2006
